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砂防ダム建設工事 Construction of mudslide-control dam

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工事前 Before construction 現在 Present view 瑞岳院龍門近くの渓流に砂防ダムを建設する工事が始まりました。工事は来年3月まで続く予定です。 ダム建設工事に伴い、物資搬出入のための道路が新設されます。新道路は山の神神社近辺から龍門まで伸びるもので、既存の山道と並行した山側斜面に造られることになりました。現在、新道路に沿って木の伐採が始まっています。龍門後方にある木々も伐採され、今までとは違って明るい景色が広がるようになりました。 工事中はトラックや工事関係車両が交通が多くなることが予想されます。上山される皆様は充分お気を付け下さい。日中は工事の音も多少はしますが、夜間や早朝の坐禅時はいつも通りの静けさです。 Construction of a mudslide-control dam on a small river nearby Dragon gates of Zuigakuin started. The construction will continue until March 2011. A new road will be also constructed for transporting supply for the dam construction.  The new road will extend from a vicinity of the shrine of Mountain gods to the Dragon gates in parallel to the existing mountain road on the mountain hill side. Presently, trees on a route of the new road are being cut down. Now, the most of trees behind the Dragon gates are gone, providing new brighter look of the Zuigakuin entrance. It is expected to have more traffic on the mountain road to Zuigakuin during the construction.  ...

不飲酒戒 Do Not Drink

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瑞岳院参道から見た秋の富士山 不飲酒戒とは、仏教徒が行ってはいけない事柄を定めた 五戒(ごかい) のひとつである。この五戒とは: 不殺生戒(ふせっしょうかい) - 生き物を殺してはいけない。‐Do not kill 不偸盗戒(ふちゅうとうかい) - 他人のものを盗んではいけない。- Do not steal 不邪淫戒(ふじゃいんかい) - 自分の妻(または夫)以外と交わってはいけない。- Do not misuse sex 不妄語戒(ふもうごかい) - うそをついてはいけない。- Do not speak a lie 不飲酒戒(ふおんじゅかい) - 酒を飲んではいけない。- Do not drink intoxicants この五戒については スッタニパータ でも述べられている。スッタニパータは、テラバダ仏教のパーリ経典(いわゆる三蔵法師の三蔵/Tripitaka)の一部に含まれているもので、最古の経典とも言われている。 五戒は、自分だけが守ればよいというのではなく、他人が戒を破ることがないように努力することも必要とされている。五戒を守ることは、単に自身を律するというだけでなく、社会に生きる個人として他人との不要な諍いや揉め事を避け、他に不安を与えないという大きな利益があると説明している( Abhisanda Sutta AN 8.39 )。一方、仏教においては、これらの戒を守らないからといって、厳しい罰が下るというものでは決してない。このような戒を守って生きようと常に自ら努力することで初めて、仏教徒としての確固たる基盤を作り上げることができる。 曹洞宗では在家得度するときに授戒を受ける。三帰戒、三聚浄戒および十重禁戒があり、上記の五戒は十重禁戒の中に含まれている。また、チベット仏教や南伝仏教の僧院で生活するものに対しては、数百の戒律が定められているそうだ。 ところで、日本の寺院は飲酒については寛容であるように思われる。菜食は厳しく守っているのに、判断基準がどの辺にあるのか良く分からない。歴史的、文化的な背景があるのだろうが、現実を目の当たりにすると複雑な心境になる。スッタニパータでは不飲酒戒について以下のように述べている。 A layman who has chosen to practice this Dhamma should...

坐禅で重要なのは坐禅以外の所 Important point of Zazen (meditation) is in part other than Zazen

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大分時間が経ってしまいましたが、7月摂心で行われた 森山老師の法話 の第2弾です。 森山老師のお話(その2): 「坐禅の修行で重要なのは坐禅以外の所である。坐禅の修行で坐禅を行うのはもちろんであるが、坐禅だけを立派にやればよいというものではない。坐禅以外の食事の取り方、経の読み方、歩き方、話し方、日常生活における行動全てにおいても、仏教徒として行うべき行動をとらなければならない。弁道法では、僧堂の集団生活における生活行動の全てについてルールを示している。これをヒントにして、各自の日常生活においても、どのように生活すべきかを考えてほしい。」 一般の社会では、一人一人に対していくつかの役割が与えられている。例えば、中年の男性であれば、勤務先では上司であり部下であり、家庭では夫であり父親である。さらに、自身の親に対しては子供であると同時に兄弟に対しては兄や弟となる。仏教の修行は、これらの一人一人に与えられた役割をすべて果たした後に行われることが理想であり、これらの全ての役割から離れたところに存在する一個人自身を深めるのが仏教の修行である。そのようなすべてのしがらみから離れた個人を深めることができれば、社会や家庭での役割もより円滑に果たすことができるはずである。 This is the second part of the article regarding on Moriyama Roshi's talk during July Sesshin. It has been a long time since the last time I posted the first part . In Sesshin Moriyama Roshi also said, "The important point of Zazen (sitting meditation) is in part other than Zazen. Of course it is important to do Zazen when you practice Zazen.  However, it doesn't mean all you have to do is good Zazen. In addition to Zazen, you also have to do wel...

Shunryu Suzuki Roshi's book "Zen Mind, Beginner's Mind" is translated to Japanese

In 1970, Moriyama Roshi traveled San Francisco to assist Shunryu Suzuki Roshi in Soko-ji temple. At that time, Suzuki Roshi was also teaching American practitioners in San Francisco Zen Center. Suzuki Roshi moved to United State in 1959 at the age of 55 to become the abbot of Soko-ji temple, a Soto Temple in San Francisco. Then, to accommodate growing number of American practitioners in 1960's, he established San Francisco Zen Center. "Zen Mind, Beginner's Mind" is the most popular book among English Zen Buddhism books written by Japanese Zen Masters, and is like one of Zen text books among western practitioners.  Because of the great popularity in United State, the book was translated into Japanese many years ago. Unfortunately, the book didn't receive similar popularity in Japan. In this August 2010, 40th year since the publication of the original book, new version of Japanese translation of "Zen Mind, Beginner's Mind" was published. The translated...

Moriyama Roshi's Dharma Talk in July Sesshin: What we can learn from practicing Bendo-ho?

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Morning in Zuigakuin Meditation Hall In June 17th to 19th, July Sesshin was held in Zuigakuin.  In the Sesshin, Roshi gave a Dharma talk.  It is the best to listen Roshi's talk on live.  However, for people who could not attend the talk, I (Tessan Abe) will post some of major topics as much as I could understand.  Your comments and questions are always welcome.   Moriyama Roshi said, "Zuigakuin is a place to practice Bendo-ho. I hope all practitioners can practice together to familiarlize yourselves with the ancient traditional practice method, Bendo-ho.  The Bendo-ho was created by Zen Master Dogen 800 years ago.  Practicing such things may be like you are experiencing a totally different culture even if you are Japanese.  But, I want you to learn something from your experience in Zuigakuin and bring them back to your daily life. Bendo-ho is formed with sets of directions and rules set by Zen Master Dogen with respect to each of activities t...

ロバートエイトキン老師逝去 The passing of Robert Aitken Roshi

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Robert Aitken Roshi (1917-2010) アメリカ最初の禅老師ロバートエイトキン氏が8月5日、ホノルルで逝去しました。93歳でした。葬儀は8月22日10時から、ホノルルのパロロ禅センターで営まれます。 エイトキン老師は、第二次世界大戦中、グアムで日本軍捕虜となり、その後日本の捕虜収容所の中で同じく捕虜となっていた英国人作家R.H.ブライスを通じて、禅と初めてめぐり合いました。 第二次大戦終了後、エイトキン老師はハワイへ戻り、ハワイ大学で芭蕉の俳句に対する禅の影響について研究、修士号を1950年に取得しました。エイトキン老師は日本へ何度も戻り、中川宋淵老師や安谷白雲老師の下で修行を継続しました。1959年、ハワイでの禅修行者をサポートすることを目的としてダイアモンドサンガを設立し、中川、安谷両老師を招き、正式な摂心を実践してきました。1974年には、エイトキン老師は禅の指導者と認可されました。また、エイトキン老師は世界平和、人権、社会的平等を目指して、市民活動にも積極的に参加していました。 エイトキン老師は、禅仏教に関する多数の著作を残しました。残念ながら日本語に翻訳されたものはありませんが、なかでも禅仏教の基本的な教えや修行方法の基礎をまとめたThe Taking the Path of Zenや、仏教徒の戒律、利他行、倫理に関するThe Mind of Clover等はアメリカに限らず世界中で広く読まれています。 心からご冥福をお祈りいたします。 エイトキン老師のブログ ホノルルダイヤモンドサンガのホームページ エイトキン老師の著作集(ハワイ大学図書館) Robert Aitken, one of the first Americans fully authorized as a master of Zen Buddhism and the author of thirteen books on that subject, died August 5 in Honolulu at the age of 93. The memorial service will be held at Palolo Zen Center on Sunday, August 22nd at 10:00 AM. At the outbreak of war in t...

森山老師の法話(7月摂心):弁道法から学ぶ

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朝の禅堂 7月17-19日瑞岳院で摂心が行われ、森山老師のご法話がありました。老師のお話はその場で聞くのが一番良いのですが、参加できなかった方のために抜粋して主なポイントだけを、本ブログ管理人が理解可能な限り、お伝えしたいと思います。質問やコメント等お待ちしております。 森山老師のお話(その1):「瑞岳院は弁道法を実践する場所です。参禅者の皆さんには、瑞岳院で一緒に修行し、道元禅師が伝える古来伝統の弁道法に親しんでいただきたいと思います。弁道法は800年前に道元禅師が作られたものです。これを現代の皆さんが実践するのは、まるで異文化を体験しているようなものでしょう。しかし、ここでの体験をきっかけにして、何かを学んでほしいと思います。」 弁道法とは、僧堂生活において行われるそれぞれの行動について、道元禅師が定めた指針や規則です。ここでいう行動とは、坐禅や読経の仕方だけでなく、禅堂への入堂方法、食事作法、洗面、就寝の作法等が含まれています。これら指針や規則は、僧堂での集団生活において、仏道修行を遅滞なく、一分の隙もなく進めるためにはどのように行動すべきかを具体的に示したものです。 電気も水道もない瑞岳院での修行は異文化の体験だと思います。しかし異文化体験は、自身の日常を見直す絶好の機会となります。例えば、海外旅行に行けば、日本と異国の文化との違いに驚くと同時に、自国の文化をより強く意識することが多いのではないでしょうか。しかも瑞岳院での「異文化」体験は、古来伝統の仏道修行そのものです。例えば、経典を読むことで仏陀の教えに親しむことができるように、弁道法を実践することで道元禅師の教えを、行動を通して親しんでいるのです。 「弁道法の体験をきっかけにして何かを学んでほしい」と森山老師は述べられました。弁道法を自宅に帰ってからも行えというのではありません。仏道修行は坐禅や読経だけではありません。生活のすべてが修行です。弁道法が教える精神を、文化の違いを超えて、各々の日常行動の中にも活かしてほしいと思います。 次回以降は以下のトピックについてお伝えいたします。 現代人の精神的基盤 禅の修行で重要なポイント 坐禅の深さ