2010年9月27日月曜日

不飲酒戒 Do Not Drink

瑞岳院参道から見た秋の富士山
不飲酒戒とは、仏教徒が行ってはいけない事柄を定めた五戒(ごかい)のひとつである。この五戒とは:
  • 不殺生戒(ふせっしょうかい) - 生き物を殺してはいけない。‐Do not kill
  • 不偸盗戒(ふちゅうとうかい) - 他人のものを盗んではいけない。- Do not steal
  • 不邪淫戒(ふじゃいんかい) - 自分の妻(または夫)以外と交わってはいけない。- Do not misuse sex
  • 不妄語戒(ふもうごかい) - うそをついてはいけない。- Do not speak a lie
  • 不飲酒戒(ふおんじゅかい) - 酒を飲んではいけない。- Do not drink intoxicants
この五戒についてはスッタニパータでも述べられている。スッタニパータは、テラバダ仏教のパーリ経典(いわゆる三蔵法師の三蔵/Tripitaka)の一部に含まれているもので、最古の経典とも言われている。

五戒は、自分だけが守ればよいというのではなく、他人が戒を破ることがないように努力することも必要とされている。五戒を守ることは、単に自身を律するというだけでなく、社会に生きる個人として他人との不要な諍いや揉め事を避け、他に不安を与えないという大きな利益があると説明している(Abhisanda Sutta AN 8.39)。一方、仏教においては、これらの戒を守らないからといって、厳しい罰が下るというものでは決してない。このような戒を守って生きようと常に自ら努力することで初めて、仏教徒としての確固たる基盤を作り上げることができる。

曹洞宗では在家得度するときに授戒を受ける。三帰戒、三聚浄戒および十重禁戒があり、上記の五戒は十重禁戒の中に含まれている。また、チベット仏教や南伝仏教の僧院で生活するものに対しては、数百の戒律が定められているそうだ。

ところで、日本の寺院は飲酒については寛容であるように思われる。菜食は厳しく守っているのに、判断基準がどの辺にあるのか良く分からない。歴史的、文化的な背景があるのだろうが、現実を目の当たりにすると複雑な心境になる。スッタニパータでは不飲酒戒について以下のように述べている。

A layman who has chosen to practice this Dhamma should not indulge in the drinking of intoxicants. He should not drink them nor encourage others to do so; realizing that it leads to madness. Through intoxication foolish people perform evil deeds and cause other heedless people to do likewise. He should avoid intoxication, this occasion for demerit, which stupefies the mind, and is the pleasure of foolish people.

飲酒→頭が働くなる→不要な過ちを犯す、だから止めるようにとの教えだ。ここでは酒と限定せず、酩酊状態にさせるものとしている。アルコールだけでなく、カフェイン、タバコ、ドラッグも含まれるのだろう。

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