四諦 / Life is suffering and you will die

私が初めて仏教を学んだのはアメリカのミネソタ禅瞑想センターでした。もう30年も前になります。当時禅センターの指導者である片桐老師はちょうど長期間の出張中で、禅センターには私以外の日本人が誰もおらず、アメリカ人の修行僧の方たちから禅の指導を受けました。仏教に関する本や指導はもちろん英語で行われました。英語で説明された仏教は、日本語の経典や仏教に関する本などよりもとてもわかりやすく、普通の民家で行う坐禅も新鮮でした。

そんな初期のころにアメリカ人の参禅者の一人が「Life is suffering and you will die」という言葉が書かれていたTシャツを着ていたのです。「人生は苦で、あなたは死ぬ」。これは四諦(Four Noble Truths)という仏の教えの一つです。日本人なら聞いたことがあるはずなのですが、英語でyouと書かれていると、特に個人的なことを言われているような(まさしくそうなのですが)気がしてショックを受けたのを覚えています。

    苦諦:この世界は苦であるという真理
    集諦:その苦は迷いになる業が集まって原因となっている真理
    滅諦:迷いを絶ち尽くした永遠で平和な境地が理想であるという真理
    道諦:八正道こそが苦の滅を実現する道であるという真理

    1. There is suffering (dukkha).
    2. There is a cause of suffering (craving).
    3. There is the cessation of suffering.
    4. There is the eightfold path leading to the cessation of suffering.

四諦では「人生が苦である」との現状認識、「苦」の原因を解析、「人生」の目的(理想)が示され、この現状から理想へ至るための手段(道)が示されています。一番最後に示されたものが仏教徒として生きるべき道、八正道です。この中には坐禅や戒律が示されています。

またその当時、曹洞禅宗の初心者向けとして知られていたのが鈴木老師による「Zen Mind, Beginner's Mind」があります。鈴木俊隆老師は西欧に渡った最初の曹洞禅宗の指導者でした。ミネソタ禅センターの片桐老師は、鈴木老師の後を引き継ぐためにサンフランシスコに渡られたのですが、その後ミネソタ禅センターに移り、1990年に逝去されるまで指導をされていました。

二人の老師のアメリカでの教えは英語による仏教本として出版されています。文化も言語も全く違う土地で禅を教えを伝えようとしたものです。お勧めです。

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